学芸員のヨガ体験記

新年度が始まり数週間経ちましたが、皆さんいかがお過ごしですか?

新しい環境にもう慣れたという方もいれば、まだ馴染めず戸惑いを感じている方もいることでしょう。

一方で、変化の無かった人は、自ら新しいことに挑戦しようとしているのではないでしょうか。

 

現在好評開催中の特集展「雪山(せっせん)の国のみほとけ ― チベット・ネパールの現代仏画―」展ですが、観音ミュージアムでも始まって以来の初の試みを行なっています。

それは何かというと、館内にBGMを流して視覚に加え、聴覚からも楽しめる展示空間を演出しているのです!

そして、その流しているBGMというのが「マントラ詠唱」です。

「マントラ詠唱」というのは、サンスクリット語のお経に節をつけて、まるで歌のようにお経を唱えることを意味します。館内では、心地良いマントラ詠唱がチベットやネパールの現代仏画にリンクして、癒しを与えてくれる素敵な空間となっております。

 

そのような癒しのマントラ詠唱をされているのが鵠沼在住、ヨガ・マントラ講師をされている木下阿貴(きのしたあき)さん(以下「Akiさん」)です。

パートナーのChakiさんとともにご自宅に隣接するスタジオでヨガ教室を開かれています。

せっかくのご縁!そして、新年度新たなことに挑戦!ということで、初めてのヨガ体験のためにお二人のスタジオにお邪魔してきましたので、その体験記をまとめたいと思います。

 

JYOTI 看板

 

STUDIO JYOTI

 

こちらがヨガスタジオJYOTI(ジョーティ)。

小田急電鉄江ノ島線の鵠沼海岸駅から徒歩8分程の閑静な住宅街に佇むスタジオは、植物に囲まれていて、とっても落ち着ける雰囲気となっています。

 

スタジオを見渡すと、二人の人物の写真が飾られていました。

 

クリシュナ・マチャリア氏

 

デシカチャー氏

 

上の人物が、クリシュナ・マチャリア氏。何とも怪しい感じのおじさん…。

ですが、この方すごい方なのです!彼は、哲学や論理などあらゆる学問において学位を取得し、非常に優れた人だったそうです。いわゆる天才ですね。何にでもなれた人だったそうですが、そんな彼が、ヨガが下等な者が行なうものと見なされていた時代に、ヨガを教えたいと言い出したのだそうです。そんなことから彼は、“近代ヨガの父”、“師たちの師”などと言われているすごい方なのだそうです。

 

そして、下の人物がデシカチャー氏。彼は、クリシュナ・マチャリア氏の息子で、マチャリア氏の教えを受け継いでヨガを教えている方。Chakiさんの師匠に当たります。

そんなヨガの祖の教えを学んだChakiさんのお話の中で、感銘を受けた内容を皆さんにもおすそ分け…!

 

まずヨガを行なう上で一番大切なこと。それは「呼吸」です。

Chakiさんに「肺は特別な臓器なんだけど、なんで特別か分かる?」「深呼吸してみて」と問いかけられました。

恥ずかしながら私には分からず…

答えを聞いて納得。肺は唯一、自分の意思でコントロールできる臓器だとのこと。

他の臓器は自動で動いているのが普通ですが、肺は唯一簡単に自動からマニュアル運転に切り替えることができるのです!

確かに深呼吸すると肺が膨らんで胸が張り、吐くとしぼむ感覚が分かりますよね。

そのため、自分でコントロールできる臓器が行なう「呼吸」という行為は、非常に大切なものなのだそうです。

 

またChakiさんは、「呼吸」である程度マインド(精神)もコントロールすることが可能だと言います(※1)。

そのためにはまず、自分の「呼吸」を“見守る”ことが大切なのだそうです。

仰向けになってお腹に手を置いて、何も考えず、何も意識せず呼吸を見守ります…

呼吸が早ければ緊張、不安のあらわれ、逆にゆっくりだったらリラックス…

こうして呼吸から自分のマインドの状態を理解します。

それから自分の状態にあったヨガのポージングをとり、そのポージングに合わせた呼吸を行なうことで、マインドを落ち着かせたり、元気にさせたりすることが可能になるそうです。

 

因みに、ヨガのポージングや呼吸は、自分が出来る範囲で良いとのことです。

Chakiさんが「前屈をやってとお願いすると、人って必ず無理して膝におでこをつけようとしたり、地面に手をつけようとしたりするけど、柔軟さが人生の何の役に立つ?(笑)」と仰っていたのには、『確かに…(笑)』と笑ってしまいました。マイペースに行なうことが大切なのですね。

 

また、息を吐くときに呼吸に音をつけるとゆっくり吐くことができるとのこと。

ここでマントラが登場!!

ヨガの呼吸は鼻から吸って、鼻から吐くのが基本だそうですが、鼻から吐く動作をマントラ詠唱に置き換えることでゆっくり吐くことができるそうです。

呼吸を見守りながら、とにかく自分のペースで…

息を吸って「Shantihi(シャンティヒ)」と息を吐く…(※2)

 

「愛をコントロールすることは難しいでしょ?信じて見守ることが大切。」「子どもを育てるとき、いけないことをしそうだったら、すぐだめ!と制御することがあるよね。でも、コントロールしたせいで逆にぐれちゃったり…子どもを信じて見守ってあげた方が、反抗しないのびのびした子に育ったりするケースもあるよね。それと同じことなんだ。」とChakiさん。

このお話を聞いて、無理してもっと長く息を吐こうとか意識せず、ありのままの今の状態を受け入れること。

そのために自分自身を“見守る”という行為が、如何に大切かがよく分かりました。

 

それではポーズをとっていよいよ実践です!

 

呼吸を見守りながら…

息を吸って~

 

「Shantihi~(シャンティヒ~)」

 

身体が伸びて、とっても気持ちいい!

意味を理解して動作を行なうと、より身体も心もリフレッシュできた気がしました♪

 

ヨガの終わりには、また仰向けになって呼吸を見守ります。

そして、Akiさんによる終わりのマントラ…

だんだん意識が遠退いt…

初めて訪れた場所でしたが、自分でもびっくりするくらいリラックスしてしまいました;;

 

ヨガやマントラにご興味のある方は、是非お二人のお教室に足を運んでみて下さい。

また、会期は残り少なくなりましたが、観音ミュージアムでもAkiさんの美しいマントラ詠唱を、チベットやネパールの現代仏画をご覧いただきながら、聴くことができます。

 

そして、さらに今回特別企画が…!

Akiさんのマントラ詠唱を生でお聴きいただけるマントラLIVEを4月21日(土)に開催することが決定いたしました!!

しかも観音堂内陣、ご本尊である大観音様により近い空間で開催されます♪

内陣でのご鑑賞は、13:50からミュージアムにご来館された先着20名様とさせていただきます。

 

当日はマントラLIVEに加え、学芸員による展示解説や、学芸員とAkiさんのトークLIVEもありです!

詳細は、トップページのお知らせ【木下阿貴「マントラ詠唱」ライブを開催します】をご確認下さい。

 

観音ミュージアム主催で行なうLIVE企画も初の試みで、学芸員一同わくわく半分、緊張半分といったところですが、精一杯頑張ります!

それでは、皆さんのお越しをお待ちしております!!

 

学芸員 H

 

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(※1)精神(英:mind)(サンスクリット語:citta)

(※2)「Shantihi」=「動じない」を意味する